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次の日。
3人は、恒例の”地下室”に居た。
もう慣れた。
冬華「今度は電気ですね」
様々な機材にモニターが付いていて、常に何かを示している。
機材は、所々がショートしていた。
石投「ここは商業区の地下だからな。ここで街の灯りを管理してるって訳だ」
千里「…なぁ、ショートしまくってるけど平気なのか?」
石投「綱渡りの商業区らしいだろ。使えりゃ何でもいいのさ。な、ドリーム島って面白いだろ~?」
同時にバリバリッと大きなショート音が聴こえる。
千里「…いや、笑えないんだけど!」
ここは今までの地下と違い、働いている人々が居た。
石投はその人々と何かこそこそと話し始める。
石投は現場の人と向き合いながら、顔だけを2人の方へ向けた。
石投「ちょっと待っててくれ。交渉するから」
交渉とは何のことだかさっぱりだが、2人はとりあえず頷いた。
千里「なあ、<E-ナンバーズ>ってどんな人たち?」
千里と冬華は、機材の無い安全(と思われる)な壁際に並んで寄り掛かっていた。
冬華「<E-ナンバーズ>は…命をかけてドリーム島を救ってくれた、かけがえのない9人のことです」
千里「へえ…」
千里は、とても興味深々な表情をしている。
千里「島のために命を投げ出すような、勇気のある人たちなのか」
冬華「…いえ」
正面を、じっと見つめたまま言った。
冬華「…彼らは、死ぬのが怖くなかった…って零さんに聞きました」
千里「えっ?」
冬華「おかしいでしょ…?彼らは長い間ビルに閉じ込められていたから、知らないことが多いんです。もっと色々知ってほしかったです。命のことも、ドリーム島のことさえも…」
俺は、本音を自覚したくない
そうか
冬華「くやしいんです…彼らがドリーム島を結果的に救うことになって、そして結果的にまだ帰ってきてないことが…」
だからもっと知らなくちゃ
<E-ナンバーズ>とは
冬華「…くやしいです…」
なあ兄貴…俺は…
冬華「彼らを助けたい。帰ってくるって信じたい」
千里「冬華、俺は…」
石投「よし2人とも、交渉が終わったぞ!」
2人の会話は、石投の言葉によってとぎれた。
千里「…何を交渉していたんだ?」
石投は、人差し指と親指で円を作って見せた。
石投「この奥にアジトがあることを、この現場の奴らは金で口止めさせられているらしいんだが…それを上回る金額でアジトの場所を教えてもらった」
2人は唖然とした。
千里「マ…マジで…」
石投「マジマジ」
そういうと、現場の人々に向かって両手を突き出す。
石投「さすが商業区!」
現場の人たちが答えるように「イエー」と声を発した。金が貰えて喜んでいるのだろう。
千里「…」
石投「よし、行くぞ!」
千里と冬華は石投に連れられ、現場の奥へと入っていった。
許可が下りているので、特に何の問題も起きずにアジトの前の扉まで来た。
石投は例の通り、扉を蹴り飛ばす。
??「な、何…!?なぜここが!?」
現場の人間が、金で買収されたかられある。
双方が戦闘体勢に入り、戦闘が開始された。
しばらく戦っていると、例の通り石投の部下が現れ、戦闘に加勢する。
ほぼ、勝負はあった。
千里たちはいつもレジスタンスたちに余裕で勝利しているようだが、レジスタンスが弱い訳ではない。
3人が、相当の実力者なだけである。石投はそれも見抜き、2人を参加させることを了承していたのだった。
レジスタンスたちはまた、あっという間に倒された。
石投「お前がサマーで、お前がウィンターか」
これらの名前も、恐らく通名か何かだろう。
彼らは、拘束されながら吐き捨てるように言った。
サマー「ここを押さえて、勝ったつもりでいるのか…?俺らにはまだ…新しいボスが居るんだ…」
それをきいた石投は、サマーの胸ぐらを掴む。
石投「各地のアジトとは別の所に、お前らのボスが居るんだな?」
サマーは息吹を崇拝はしているが、口が軽かった。
サマー「ああ…新しいボスである彼が捕まらなければ、俺たちレジスタンスは消滅することは無い」
石投「そうか、貴重な情報をありがとう。ビルに戻ってもよろしく頼むぜ♪」
そして最後に、こう呟く。
サマー「そう…”ゼロ”が居てくれれば…」
…ゼロ…?
石投「”ゼロ”がボスの名か。よしお前ら、連れていけ!!」
レジスタンスたちは、石投の部下の手により外へ連れ出された。
千里たち3人は、ビルに帰ってきた。
とりあえずは、少しずつレジスタンスたちから情報を聞き出していくことになった。
数日かかるかもしれないので、冬華は少しの間例の医療所へ帰宅することになった。
千里はビルに残り、双子の妹であるユリの情報を聞くことにした。
が…
千里「ユリ…どこに居るんだ…?ユリ…」
思わず口に出る。すぐに再会できるものと思っていたが…
石投「おい…千里」
ビルのロビーに居た千里は、後ろから石投に話しかけられた。
石投「どうだ?妹さんの方は。政府の人間で探させいるが、何か聞いたか?」
千里「いや…さっぱり…」
顔が蒼白となる。
石投「まあ、こちらは政府の方に任せておけ。お前が下手に動くと行き違いになりかねんからな」
石投は一呼吸置いて、本題に入った。
石投「レジスタンスから情報を引き出したんだが…どうやら、このドリーム島の爆破計画が行われようとしているらしい」
千里「!?」
さすがに驚く。まさかそんな規模の大きい話だったとは…
石投「それと…」
石投の顔が曇る。こちらの方が問題なようだ。
石投「”ゼロ”…と呼ばれていた、奴らのボスの話だ。どこかのアジトに在住している訳ではないらしい。一般人のフリをしてどこかのスラムに潜んでいるようだが」
何が問題なのだろう。
石投「まさかとは思っている。俺も疑っている訳ではない」
千里「…何の話?」
石投は、千里の目をじっと見つめた。
石投「”ゼロ”は…医者をやっている奴だそうだ」
千里「…えっ」
”ゼロ”。”医者”。
それは…
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