18LD.光と闇-Light/Dark

18LD.光と闇-Light/Dark

 レギュレート・コアへの封印。ジェイド地区にある火口を『無情の”壊”剣』で塞ぐ仮説。どちらも、「ジェイド地区の噴き出すエネルギーを止める」という目的が一致してる。
 ラングは、皇帝に仮設の話をしないことにした。確証が持てない上に、危険すぎる…いくら封印を避けることが出来たとしても、危険を犯すことで仲間に何かあったら…とラングは思った。
 だが、ラングは簡単に封印に応じるつもりは無い。まだ他に、話し合いの余地がある話があったのだ。

 ラングはコアへの封印とレギュレート兵器の破壊への返答を前に、皇帝に話をした。
「皇帝に聞いておきたいことがあります。皇帝はリマインドのことは知っていますか?」
 皇帝はラングの話に耳を傾け、しっかりと答えた。
「知っていますが、どこにあるのか見当もつかないとアイオラは言っていました。だからアイオラはレギュレート・コアを作ったのです」
 皇帝が話を聞いてくれたことにラングは安堵し、続ける。
「例えば、軍が総出で探したら見つかる可能性もあるんじゃないですか?ちゃんと探したことは無いんですよね?」
「…そうですね。この大陸のどこにあるのか見当もつかないので探しようがない、というのが理由ですが…」
「学生全員の力も借りられませんか?俺たちも全力で探します」
「その方法もありますが…見つかるまでの間に誰かを封印する必要もあります。いつ見つかるのかも分からないですしね。どうやっても封印は避けられないのです」
「…!!」
 ラングは答えられない。皇帝の言っていることは最もである。他に封印を避けるいい方法が思い浮かばない…ラングは再び仮説のことが脳裏に浮かぶ。しかし、考えれば考えるほど危険である…
 その時、アルトが一歩前に出て皇帝に懇願した。
「皇帝、僕が…!僕はアイオラ元帥の息子だ。小さい頃からコアに封印されるつもりだったから覚悟は出来ている」
「アルト!何を言ってるんだ!!」
 ラングは思わず叫んでしまう。そこで間髪入れずにアリスも一歩前に出て懇願した。
「皇帝、私の懐剣は赤い光が目覚めたことがあります。私が一番赤い光に近いです。私が封印されます…!」
「アリス!!」
 ラングは再び叫んでしまう。
 もちろん…アルトもアリスも封印されたい訳ではない。他の皆が封印されるくらいなら自分が、と…自分の適性の高さを利用し、皆を庇っているのだ…
 ラングもシャルもエンもムジカも、2人にどう声をかければいいのか分からなかった。「じゃあ自分が封印される…」と言えばいいのか。これはそういう問題では無い…4人はかけるべき言葉を必死に探した。
 皇帝はアルトとアリスを交互に見てしばらく考え込んだ後、アリスの方に向き直り、静かに言った。
「ディライトのエネルギーは捨てがたいですが、赤い光が一番安定するはずです。アリス、お願いできますか?」
「…はい」
「!!??」
 皇帝が告げた言葉と、落ち着いた様子で返事をするアリスに、皆戸惑うしかなかった。シャルとムジカは「おいアリス!!」「アリス、ダメだよ。もっとちゃんと考えよ!!」とアリスに詰め寄るしかなかった。
 皆がアリスを説得しようと試みる中、アルトはうつむき少し考えた後、皇帝に一気に歩み寄った。
「皇帝。一つだけ方法がある」
 アルトが強い語気で言い放った言葉に、全員押し黙りアルトに釘付けになる。
 アルトを上から下まで一通り観察した皇帝に、アルトは言い放った。
「…レギュレート・コアより強力な方法だ。僕をジェイド地区に行かせて。ディライトの赤い光を目覚めさせる」
 皆驚きすぎて、目を見開き、呆然とするしか無かった。あれほどアルト自身が「危険だ」と繰り返し言ってきた『無情の”壊”剣』の赤い光を、アルトは自ら目覚めさせると言ったのだ。ラングは「アルト、何を言っているんだ…?」と呟き、アリスは「アルトくん…赤い光はダメだよ…」と首を横に振る…

 アルトの赤い光を意図的に目覚めさせる…明らかに危険だ。どんな理由があるというのか…
 それとも、理由によっては…?
 話を詳しく聞くか聞かないか、どうする?

→アルトの話を聞く

→アルトの話を聞かない