カタルシス国はジェイド地区に関わる…レギュレート兵器がカタルシス国に奪われたと皇帝から連絡があった今、コーラルから詳しく話を聞くのかどうかシャルとムジカは迷った。だが…
2人は考えた末、今回は話を聞かずに見送ることにした。シャルとムジカは顔を見合わせ頷き合うと、シャルはコーラルに「また今度にするよ」と笑いながら言った。
シャルは、同じく笑顔になったムジカを見ながら続ける。
「まあ、話はいつでも聞けるからな。色々終わったらゆっくり話そうぜ」
ムジカは再び頷きながらそれに答えた。
「それもそうだね。落ち着いて、ちゃんと聞きたい」
コーラルも2人の返答を聞き、頷きながら言った。
「…分かった。いつでも来なさい。ゆっくり話をしよう」
コーラルが今度はメールでジェミニへの連絡を図っていたので、アリスは少しだけ話をした。
「父さん…私たち、極夜でガネットさんとメノウさんと会ったよ」
コーラルの手が、一瞬だけ止まる。
「…そうか、あの2人か。懐かしいな」
そう呟いたコーラルの表情が、皆には少しだけ穏やかになったように見えた。
しばらくして…コーラルは、ふう…と息をつき、デバイスを下ろしながら言った。
「…ジェミニとは繋がらないな。待たせてすまない。もう行くか?」
アリスは頷きながらそれに答える。
「そうね、そろそろ行くわ。色々ありがとう、父さん」
「私も後で政府ビルに行く。また何かあったらそこで聞いてくれ」
コーラルは最後にそう言い、6人は会釈をするとすぐに外に向かった。
外に出た6人は、政府ビルに戻るために走って駅に向かう。
すると…突然現れた数人の人間に懐剣で襲われたのだ。
「何だ…!?みんな、懐剣展開!!」
ラングはすぐに呼びかけ、6人は懐剣を展開し敵に応じた。
敵を一通り観察したアリスは戦闘をしながら皆に情報を伝える。
「…これ、多分カタルシス国だわ」
カタルシス国の人間は、最近は同じエンブレムを身に着けているのだ。カタルシス国は完全に新たな国としてまとまりつつあった。
相手は5人程度なのですぐに片が付く。『無情の”壊”剣』使いのラングたちの敵では無かった。
ラングは倒れている敵を見ながら声を漏らす。
「…こんな所にまでカタルシス国が…」
それに対し、アリスも小声で言った。
「最近更に活発化してるわね。それどころじゃないのに…」
6人は気を取り直し、すぐに再び走り出したのだった。
ラングたちが列車に乗ろうとすると、ズン…という地響きが聴こえたので皆思わず足を止めてしまう。そして人々の叫び声が続けて聞こえた。またどこかが崩落したようだった。
エンは地響きがする方を見て、首を傾げながら言った。
「こんなに突然、一気に崩落するものなの?空洞は突然できた訳じゃないよね?」
それにはアルトが答える。
「どこかが崩落する度に地震が起きてる。その衝撃で連動してしまってるのかも…」
ラングは列車に乗りながら、思わず呟いてしまった。
「…レギュレート兵器にカタルシス国に大陸の崩落…問題が山積みだな」
列車に乗り政府ビルに着くと、ラングたちはすぐに最上階にある謁見の間に向かった。
謁見の間では、皇帝が焦った様子で皆を待ちわびていた。
ラングたちが入室すると皇帝は間髪入れずに言い放った。
「レギュレート兵器がカタルシス国に奪われました。それと同時に、カタルシス国がホープ帝国に宣戦布告をしてきました。幸い奪われたのは兵器部分のみで、レギュレート・コアは無事でした。兵器で政府ビルを破壊するために、改造した兵器を携えこちらに向かってきているそうです。それを迎え討ち破壊して欲しいのです」
分かりました、とラングが答える前に皇帝は再び口を開いた。
「…それともう一つ」
ラングは、嫌な予感がした。しかし、もう皇帝を止めることは出来ない…
そして皇帝は6人に言い渡した。
「ポープ島の崩落が更に加速しました。士官や兵士は人々の救助や避難に追われています。このままでは大陸が滅んでしまう…そこで、申し訳ないのですが…レギュレート・コアへの封印を早めたいと思っています」
「…!?」
嫌な予感は当たってしまった。エンは思わず「そんな…」と口にしてしまう。
皇帝は皆を見回し、容赦なく言った。
「レギュレート・コアへの封印。レギュレート兵器の破壊。どちらも、『無情の”壊”剣』使いであるあなたたちにしか出来ないのです。どうか…よろしくお願いします…」
どちらも6人にしか出来ない…確かにそうだ。拒否したとしても、どちらにしろいずれ6人も死ぬことになる…拒否権はほぼ無いに等しい。
そこで、ラングはあることを思い出しはっとした。
(…そうだ…!!仮説…!)
そう…コーラルの言っていたジェイド地区にある火口を『無情の”壊”剣』で塞ぐ仮説の話を思い出したのだ。もしこれが成功すれば誰も封印されずに済むかもしれない。封印も仮説も、どちらも「ジェイド地区のエネルギーを止める」という目的が一致しているからだ。皇帝に仮設の話をするべきか…
しかし、仮説の話はあくまで仮説であり確証が持てない。ジェイド地区の火口に近付くのもかなり危険であり、身を削っても何も得られない可能性もある。
皇帝にジェイド地区の火口を塞ぐ仮説の話をするかしないか…
どうする?
→皇帝に仮説の話をする
→皇帝に仮設の話をしない