「守」





 2001年 某日。

 今日もカルマは出掛けている。
 アカネは1人で、テレビを見ていた。
 胸騒ぎがして仕方がなかった。


 カルマ、マモル、ヒナギク、サトリの4人は、ガトの地方を歩いていた。地方ばかりなので、電車を使う機会は少ない。
 4人は今日もクライムの光点を追っている。
「…最近、凶暴な魔物が増えてるらしいな」
 マモルは、歩きながら言った。
「不気味よね。クライムのことと関係あるのかしら?」
 ヒナギクの言葉に、カルマが反応する。
「…まさか」
 カルマの中で、もやもやしていた謎が解けたような気がした。
「カルマ、何か分かった?」
 サトリがカルマの反応に気付いた。カルマは、皆に言った。
「もしかしたら…と思うことがある。みんな、今日のクライムの確認が終わったら、宿かなんかで地図を広げてくれ」
 ついに、確信に迫ることが出来るかもしれない。カルマがそう思ったその時。

 全員のデバイスが鳴った。

 この鳴り方は、国かギルドが発する非常事態メールだ。
 4人はすぐにデバイスを見た。

『ニュースです。ホウテイ市街に爆弾が仕掛けられました。
実行犯によれば、爆弾を爆発されたく無かったら、人型ロボットはすぐにホウテイの渓谷に来い、とのことです。人型ロボットとは何でしょう?』

「…」
 4人は、一瞬固まった。
 このニュースに、一体どんな意味が隠れているのか…
「…グゲン…?」
 マモルは、そう呟いた。
 カルマは動き出し、すぐデバイスで電話を掛ける。
「アカネ…出ろ…」
 電話はすぐに繋がった。
『カルマさん!今、ニュースが…』
「アカネ、何があっても一歩も外に出るなよ」
 カルマは強い口調で言った。
『…はい。絶対、罠ですもんね』
「そうだ。いいな」
 そしてカルマは電話を切った。
 4人は、考え込む。
「グゲン…いくら何でも、そこまでするかしら?」
「あいつは”どんな方法を使っても”と言っていた。可能性はある」
 ヒナギクの疑問に、マモルはそう言った。
 サトリは、カルマを見て言った。
「カルマ…どうする?拠点に戻ってアカネと一緒に居る方がいいよな?」
「…」
 カルマはしばらく考えた後、
「渓谷に行ってみる。ロボットが待ち伏せしているようだったら、すぐに拠点に戻る」
 と言った。
 4人は方向を変え、ホウテイの渓谷に行くために走り出した。


 そして4人は、ホウテイの渓谷へやって来た。
 岩陰から覗いている。そこには…ロボットの大軍が配置されていたからだ。
「…やっぱりな」
 マモルは小声で呟いた。
 ロボットの大軍の中に、グゲン5世が居ることに気付く。これで、あのニュースがアカネをおびき寄せるための罠であることが決定的になった。
「そうと分かれば、すぐに拠点に戻った方がいいわね」
 ヒナギクも小声で呟く。アカネが心配だった。
 その時、カルマがデバイスに通知が来ていることに気付く。
「…!」
 それは、非常事態メールだった。ここに忍び込むために音を消していたのだ。

『ニュースです。先程ホウテイで1つの爆弾が爆発し、2名の死亡が確認されました』

 全員、メールを確認した。
「…罠か?」
 マモルは呟いた。
 いくら”どんな方法を使っても”といっても、人々を守るためのギルドが人を殺す訳が無い。
 カルマはメールを見て、はっとする。
 すぐに電話を掛けた。
「…アカネ…頼む…」
 サトリは気付いた。このメールが来たのは、30分ぐらい前だった。
 もしアカネが…

 ドオン。

 少し遠くの方で、何かが破壊される音がした。
「アカネ!?」
 カルマは咄嗟に叫んだ。今にも岩陰から飛び出しそうな勢いだった。
「カルマ、落ち着いて」
 サトリがカルマを制す。今のグゲン5世は、何をしでかすか分からないからだ。
 すると、その破壊音は徐々にこちらに近付いてきた。
 そして、数体のロボットがなぎ倒される。

 そこの現れたのは、アカネだった。

 カルマはサトリを振り切り、岩陰から飛び出した。
「アカネ、何故来た!!!」
「…」
 カルマたち4人は、アカネの姿をよく見た。
 体に様々な武器が装備されている。それは、誰も見たことがないアカネの姿だった。
 アカネはカルマを見て、口を開いた。
「…ごめんなさい、カルマさん。私のせいで人々が死んでいく…罠かどうか分からなかったけど、もし本当だったら私は…
でも大丈夫、ちゃんと準備してきました」
 アカネは元々、クオンに作られた時は戦闘能力が高く設定されていたのだ。この姿が、アカネの本来の姿なのかもしれない。
「でも、アカネ…!」
「大丈夫です。出来る限り、やります」