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1899年 某日。
「ん…?」
カルマは拠点で、いつものようにレーダーをチェックしていた。
すると、ソフトが突然誤作動を起こし、フリーズする。
カルマは何度も再起動と再インストールを繰り返したが、直らなかった。
「…チッ」
つまり、クオンに会いに行かなければならないということである。
「失礼する」
カルマは一言いって、扉を開けた。
すると、パソコンに向かって作業をしていたクオンが、顔を輝かせて飛び上がる。
「やあ、カルマ!来てくれたんだね、待ってたよ!!!」
興奮気味にそう言ったクオンは、すぐにカルマの元に向かい、両手を握った。
そして、
「早速、心音を確認させて貰おう」
と、カルマの手を引こうとする。
「断る」
まるでクオンと初めて出会った時と同じような展開だった。が、カルマは面倒なのでバッサリと断った。
「ええーっあの時と違うじゃないか~」
クオンはムスッとして嘆いた。
カルマは再び、クオンと連絡を取ってここへやって来たのだ。
カルマは、フリーズしたディスクを取り出して言った。
「これが壊れてしまったんだ。ソフトが誤作動した上にディスクも読み込まない。何とかならないか?」
クオンはディスクを見て、それなりに真面目な表情になる。
「おかしいなあ…パソコンとの相性かな?ギルドの方では壊れたって報告は無いんだけどね。ちょっと見せて」
クオンはカルマからディスクを受け取り、パソコンでチェックし始める。
「あーなるほど」
クオンは悔しそうな顔をして言った。
「ごめん、ソフトをディスクに落とす時に忘れてるデータがあったみたい。
今までよく動いてたな…ごめんよ、カルマは真剣に罪人を探してるってのにこんなミスをしてしまって。
悔しいな~よりによってカルマに渡すディスクでこんなミスを…僕は…」
「気にしていない。作って貰っただけでも感謝しているしな」
クオンがあまりにも落ち込んでいたので、カルマが励ます形になった。
「これで良し」
クオンは作業を終え、カルマに新しいディスクを渡す。
クオンは、笑顔に戻って言った。
「はい。今度こそ大丈夫だと思うよ」
カルマはディスクを受け取りながら、提案する。
「連絡手段を設けないか?私には多分長い間、このソフトが必要なんだ。またそのうち壊れるかもしれない。
その都度、回りくどい手段で連絡を取るのは面倒だ」
クオンは再び飛び上がった。
「えっ、いいのかい!?カルマと連絡手段を!?」
「言っておくが、壊れた時以外は使わないからな。私には、そうだな…使命で忙しい」
カルマは、必要以上に連絡を取らずに済むように適当に牽制した。
「うん、いいよ!繋がってるってだけで何か特別な感じするしね!!」
クオンはそう言い、すぐに連絡手段を準備し始める。
カルマは、このソフトが使えるうちに、クオンが居るうちに、クライムと決着が付く日が来ることを願った。
→「朝日」