いつか わたしにも
あなたのまぶしい赤が まっすぐ見れる日が くるでしょうか
巳六と七々は、ナンバーズの大群と戦っている途中だった。
少しずつ倒してはいるが、やはり、まだたくさん居た。
巳六「あー…何か戦いづれえんだよな。こいつらも、好きで改造されたんじゃねーかもしれねーし」
七々「うん…巳六くん、大丈夫…?」
巳六は、かなり消耗していた。元々、マーキングで体力・集中力をほぼ使い切ってしまったようなものだ。
能力は、使いすぎるとめまいを引き起こして倒れるのだが、前回同様マーキングには、相当な能力消費が必要だったようだ。
巳六は七々を見て、いつも通り笑ってみせた。
巳六「平気平気。そうだ、じゃあ今、抱きしめていいか?それで元気、出るかも」
七々「もう。冗談言ってる場合じゃないでしょ?」
軽く流しながらも、いつも通りの巳六に少し安心する。
巳六「本気だったんだけどな…」
七々「!巳六くん危ない!!」
後ろを向くと、ナンバーズが鉄の棒を振り下ろすところだった。巳六はギリギリ避けて、鉄パイプでなぎ倒す。
巳六「はあ…はあ…あっぶね…」
七々は、肩で息をする巳六をじっと見つめた。
七々「巳六くん、あとは私が何とかするから休んで…!」
巳六は首を横に振った。七々を、真剣な目で見つめ返した。
巳六「…ぜってー、守る」
七々「…巳六くん…」
ナンバーズたちは、待ってくれない。
巳六「もう少しだ。がんばろーぜ」
笑顔に戻って言った。
七々「…うん」
七々も微笑み返す。
その時。
五月「巳六!!七々!!」
太一たちが、戻って来たようだ。
だが。
巳六「…!!えっ…太一!?」
七々「えっ何!?太一くん、どうしたの…!?」
幸四の腕の中で、脇腹が血まみれの太一がぐったりしていた。
幸四「止血はしましたけど、かなり危険です。すぐにレイに見せないと」
巳六と七々は、五月の腕の中に気を失った八重が居ることに気付く。
巳六「五月、幸四、何があったんだよ」
五月「話は後だ!!まずこいつらを片付けんぞ。この人数ならすぐ終わる」
五月は八重を下に降ろして、目を紫に光らせた。巳六と七々のおかげで人数も少なくなっていたので、五月の能力ならこんな人数はたいしたことはない。
幸四は、五月を見ながら少し笑う。
幸四「相変わらず、バカ力ですね。太一、もう少しですよ。がんばって」
五月を中心に巳六と七々も戦って、何とかナンバーズを片付けた。
五月は八重をまた抱き上げ、皆はすぐに前の部屋に向かった。
4人は、歩いて部屋を次々と通り過ぎていったのだが。
行きで通った時には何も無かったはずの部屋で、警報が鳴ってしまった。
巳六「くっそ…何でだよ!!」
壁に張り巡らされているシャッターが、端から開いていく。そして、中から次々と、機械が顔を覗かせた。
ただの機械ではない。
機械で出来た、兵士だった。
七々「…!!」
密かに七々の顔色が変わった。
6人は、ぐるりと機械に囲まれる。
五月「…オイ…ヤベエぞ…」
幸四「さすがに…難しいですね。僕の能力は、対機械には向きませんし…」
機械兵…
巳六が、鉄パイプを構える。
巳六「まだ諦めんなよ…戦えるだけ戦うぞ」
七々「巳六くん待って」
七々が、一歩前に出た。
七々「みんな、破片が飛び散るかもしれないから、部屋の真ん中に集まって」
七々の目が、オレンジ色に光った。
それを見て、幸四と五月の顔色が変わる。
五月「七々、やめろ…!!それはダメだ!!!」
幸四「七々、この部屋には隠しカメラがあります。ここで使ったら政府に見られてしまいますよ」
七々は、真剣な表情で振り返った。
七々「でも…!もう、他に方法がないでしょ!!」
五月「七々、”お前は”絶対、政府にバレたらダメだろ…!!」
皆の様子を見ていた巳六は、皆を見回して言った。
巳六「待て。お前ら、何の話してんだ?七々がバレたらダメって…」
七々「みんな、静かにして。…私は大丈夫だから」
一度笑って、また機会兵に向き直った。
七々の目が、また光る。
そして。
機会兵たちから妙な音が聴こえた。すると、端から、次々とショートしていく。まるで、波のように。
ショートしてしばらくすると、誘爆を起こしたかのように、次々と爆発していった。
機械兵は、1つ残らず、全てただの破片になった。
巳六「…」
すご…これが七々の能力…
七々は、皆を振り返った。
七々「みんな、今だよ。早く太一くんを…」
皆、我に返って頷く。
幸四「…そうですね。さあ、行きましょうか」
五月が、七々に耳打ちした。
五月「これから、多分お前が狙われ始める。絶対、守ってやるからな」
七々「五月ちゃん…ありがとう」
微笑む七々を見て、五月は前へ進んでいった。
巳六と七々が、後ろを歩く。
巳六「…七々…」
七々「…うん?」
巳六「俺…何聴いても、驚かねーから」
七々「…うん。後で、ちゃんと話すね」
七々は、寂しげに微笑んだ。
それを聴いて、俺は一体、どうするんだろう。
俺が何かをして、癒せる傷なんだろうか。
俺が七々にしてやれることって、一体何なんだ…?
ビルのモニタールームで、モニターを見ている、男が居た。
??「…<E-オレンジ>。生きていたのか。時雨に連絡しろ」
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