「白」

ふたつの目の、ずっと奥











血の繋がりって、大切なんだろうか。
俺は、孤児院に入る前のことも後のことも何も覚えてないけど、こいつらとアジトで過ごしてきて、こいつらを大切だと思った。
本当のキョーダイと同じだと思った。
俺の役目は、この腕で、キョーダイを守ることだ…



 太一の指示は、かなり順調だった。
 政府ビルの内部を、4人は次々と進んでいく。
幸四「やりますね、太一、」
太一「ほら言ったろ?俺昨日すげーがんばった…いてっ」
五月「調子に乗んじゃねえ」
 五月に小突かれる。
七々「八重ちゃんの部屋まで、人が出てくる部屋はないの?」
 七々はキョロキョロしながら言った。
太一「居ないみたいだなー。何か、順調すぎて気味が悪いな…」
幸四「八重の部屋の前にも、誰も居ないんですか?」
 太一は、資料の八重の部屋についての部分を指差す。
太一「…八重の部屋が、1番危ないってよ」
 4人とも、顔に微かに怒りがこもる。
五月「フザケやがって…危ねーのは八重じゃなくて、テメーら政府だっつーの…」
幸四「同感です」
七々「八重ちゃん、可哀想。こんな所から早く出してあげないと…」
 自然と、4人の足取りが速くなった。


 4人は、八重の部屋に着いた。
 部屋に。
五月「太一。本当にここは、八重の部屋なのか…?」
太一「…そのはずだ」
 4人は、初め疑いの表情で部屋を見渡していた。
 部屋、というよりは、実験室である。周りにいくつもの機材が並んでいた。
 部屋の中央にある、巨大なガラスケースは何だろうか。
 この中で、八重は過ごしているのだろうか。
 1通り見渡した後、4人の顔は完全に怒りに変わっていた。
幸四「こんな所で八重を…」
五月「政府…ツブす…!」
 八重を取り戻したい。しかし、そこに八重は居なかった。
太一「八重!居るか!?八重!!!」
 部屋は、静寂に満ちていた。
 が、右の方から扉が開く音がする。
七々「八重ちゃん…?キャッ…!!」
 突然、人が七々に飛びついてくる。八重ではない。大柄な男だった。
太一「七々!!」
 太一は七々を庇って、男に一撃を喰らわした。
 その男は、よく見ると…前と同じ。改造された、「人」だった。
 次々と、改造された人…ナンバーズが現れる。
五月「またかよ…戦いづれぇ」
幸四「今はここに八重は居ないのかもしれません」
太一「えっ?」
 4人は、武器を構えながら喋った。
幸四「そこの扉の奥が、この人たちを実験に使っている部屋だとしたら、
八重が居るなら扉が無造作に開いているはずがありません。八重が居るなら、ここに研究員が入る可能性がありますからね」
太一「じゃあ…」
幸四「ここまで来て悔しいですが、ビルを出ましょう。今僕らが隠しカメラに映っている可能性がありますし、八重の居場所も分かりませんからね」
 五月がナンバーズたちの前に出る。
五月「じゃあ、ちょっと気絶してもらうぜ、お前ら」
 4人は、出口へ向かいながらナンバーズたちと戦った。
 幸四と七々は、いつも通り能力は使わずに、鉄パイプで戦っていた。だが、能力を使わなくても2人とも充分強かった。
 4人は、何とかビルを脱出することに成功した。

八重…どこに居るんだ…?